中国のゼロコロナ政策は今後も続くことが確定的に。遠退くウィズコロナへの移行。

COVID-19

中国のゼロコロナ政策に関して、本日のロイターの記事に重要なことが書かれていたので紹介したいと思います。

在中外国人が気にしていること

現在でもゼロコロナ政策を堅持している中国ですが、最近では様々な有識者たちから「ゼロコロナ政策はそろそろ限界では?」という声が上がっています。

しかしながら、それらは基本的に全て外国からの声。中国国内にいる我々一般人としては中国政府の決定に従う以外に選択肢はありませんから、皆が今後の推移を静かに注視しているというのが現状です。

中国で暮らしている外国人として最も気になることは、もちろん「水際対策の緩和」がいつになるのかということです。

例えば、我々が日本に渡航するのは非常に簡単です。渡航前にPCR検査を受けるだけで、日本入国後は検査も隔離も必要ありません。

問題は中国に戻る時です。中国への渡航前には2回のPCR検査と1回の迅速抗原検査を受ける必要があり、そこで陽性なら最低でも2ヶ月間は中国への渡航はできなくなります。渡航できても、中国入国後には最低でも3週間の隔離が待っています。要は、「一時帰国」が極めて困難なのです。

したがって、我々在中邦人が最も気にしているのはこれらの制限がいつになったら緩和され、いつになったらまた以前にように気軽に日中間の行き来ができるようになるのかということに尽きます。

ゼロコロナ政策の継続は確定的

そんな中で本日(2022年5月30日)、ロイターのニュース記事を読み私は心底がっかりしました。ゼロコロナ政策が当面というか、今後まだ年単位で継続することが確定的だと思える内容だったからです。

その記事によると、今年中国政府はコロナ対策としてなんと3,500億元(約6兆6,500億円)以上もの巨額の支出を予定していて、これらのお金はコロナ検査、病院の建設、感染者の監視システムの構築等に使われるそうです。

なんでも、特に大都市では全ての人が徒歩15分以内の場所でコロナ検査を受けられるようにすることを目指しているのだとか。またコロナ対策の要である医療施設に関しては、数百の病院を新規に建設する予定だそうです。

この国家プロジェクトの遂行にはもちろん年単位の時間がかかるわけで、要は中国政府は現在のゼロコロナ政策を今後まだまだ長い期間堅持していくつもりということです。先のことは私にももちろんわかりませんが、よほどのことがない限り、来年や再来年にウィズコロナに政策転換をするということはおそらく想定すらされていないのではないでしょうか。

「それでも中国で暮らしますか?」

正直私も中国政府というか、習近平さんがコロナ問題においてここまで頑なだとは思っていませんでした。

ロイターの記事でも指摘されていますが、巨額の税金が注がれている一部の業界は非常に潤っているものの、社会全体で見ればゼロコロナ政策により経済はもうボロボロです。経済力をつけることで超大国へと上り詰めた中国がなぜ?と思わざるを得ません。

しかしながら、我々一般人は特に社会主義国家である中国ではこの手の政治関係の事柄においては何の力もありません。偉い人たちが決めたことに黙って従うしかないのです。

私だけではないと思いますが、現在在中外国人に突き付けられている問いは、「それでも中国で暮らしますか?」なのではないでしょうか。

在中外国人の中には中国人と結婚して中国に骨を埋めるつもりの方もたくさんいます。私の同僚のアメリカ人たちのように、中国人の恋人ができて一時帰国に興味はないと言っているような人もいます。

一方、私のように自国に家族を残して単身赴任をしているような外国人も決して少なくはありません。また家族帯同であっても、家族構成の変化や親の介護等、様々な理由である程度の頻度で一時帰国ができないと困るという方も当然いるわけです。民間企業に関しては、こんな状態ではビジネスが成り立たないというところもあるでしょう。

私自身、正直もう中国生活には限界を感じています。まだこのブログを開設してそこまで時間は経っていないのに、こんなことを書いている現状は私自身にとっても驚きです。まさかここまで中国政府が態度を硬化しゼロコロナ政策に拘り続けるとは想像できませんでした。

「えっ、経済を犠牲にしても本当にいいの?」というのが私の頭の中にある一番の疑問です。よく言われるように、中国人のビジネスセンスは非常に優れていると私は思います。それと政府の政策が絶妙に組み合わさって中国は今日の地位を手に入れたわけですが、ゼロコロナ政策の影響で今年のGDPは悲惨なことになるだろうと言われています。

私がこういう場所でどれだけ持論を書き連ねようと何も変わらないことは理解しているのですが、「中国の皆さんは本当にそれでいいの?」という思いも強いです。

いろいろと今後の生活に関して悩んでいる在中邦人は多いことと思いますが、私も本当にもうどうしたらいいものか…

まとまりのないエントリーになってしまいましたが、とりあえず今後当面の間の大きな方向性のようなものは、中国政府的にはどうやら既に決まっているようです。

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