中国における銀行口座開設の現状。中国銀行(Bank of China)の口座の作り方。

お金の話

中国で暮らすことになった際には当然現地の銀行口座が必要になるわけですが、中国で外国人が銀行口座を開設するのは簡単ではありません。そこで今回は、中国における口座開設の現状(様々な制限)と具体的な口座開設の方法についてご紹介したいと思います。

中国生活に必要不可欠な銀行口座

中国における日常生活では基本的に現金は使用しません。ほぼ全ての支払いでいわゆる「スマホ決済」が可能であり、スマホのアプリで表示させたバーコードを提示したり、QRコードをスマホでスキャンして代金を支払います。

ごくたまに、高額の商品を購入する際などにはデビットカード(※中国の銀行のキャッシュカードは全て UnionPay の国際デビットカード)で支払うこともありますが、頻度は決して高くありません。

また、クレジットカードに関しては、利用可能な場所は決して少なくはありませんが、現在の中国ではあまり一般的ではありません。スマホ決済があまりにも普及し過ぎていて、物理的なカードを用いた決済をあえて選択する理由がないのです。

スマホ決済で用いるアプリは基本的に「Alipay」もしくは「WeChat Pay」の2択です。どちらを使うにしても銀行口座と紐付ける必要があるため、中国で暮らすことになったらまずは銀行口座の開設が必要ということになるわけです。

銀行口座開設の現状

この「銀行口座の開設」なのですが、中国ではそう簡単ではありません。正確には、中国人ならいとも簡単に新規口座を作れるのですが、外国人にとっては全くもって簡単ではないのです。

中国における外国人に対する「制限」は非常に多岐に渡り、頻繁に変更されるので大変厄介です。その都度最新の情報をチェックする必要があり、インターネット上の情報も古いものはほぼあてになりません。

※以下でご紹介する当記事の情報は2021年1月時点でのものです。

最近うちの大学に着任した外国人教員の口座開設を手伝う機会があり知ったのですが、どうやら現在中国ではほぼ全ての銀行で外国人の新規口座開設は受け付けていないようです。

中国の銀行というと、以下の4大メガバンクがよく知られており、支店の数が非常に多いので口座を作る際にはこれらから選ぶのが一般的です。

  • 中国銀行(Bank of China)
  • 中国建設銀行(China Construction Bank)
  • 中国工商銀行(Industrial and Commercial Bank of China)
  • 中国農業銀行(Agricultural Bank of China)

私は先日、この4大銀行全ての支店に足を運びました。そこで銀行員の方から話を聞いて知ったのですが、現在は中国銀行以外では外国人の新規口座開設はできないそうです。なんでも、銀行口座を利用した犯罪行為を犯す外国人が後を絶たなかったそうで、外国人関係の業務は中国銀行が主に扱うことになったのだとか。

中国における諸々のルールは地域にも依るケースが少なくないので、もしかしたら北京や上海等の大都市では事情が異なるかもしれません。しかしながら兎にも角にも、私が現在暮らす中規模都市ではそのようなルールになっているようです。

ただまあどこの銀行を選ぼうとサービス自体は似たり寄ったりですから、中国銀行で口座開設ができるのならそれで基本的には困らないはずです。

中国銀行の口座の作り方

中国銀行で口座開設をすることにしたとして、まずはその辺の適当な支店に足を運べば良いのですが、多くの支店ではパスポート情報のチェックができない(権限がない)ため、口座開設に1週間程度時間がかかるようです。なので、外国人の新規口座開設はどの支店ならスムーズにできるか聞いてみて、そこに足を運ぶことをお勧めします。基本的には、その地域で最も大きな支店ということになるかと思います。

銀行で行う手続き自体は決して難しいものではなく、以下の書類を提出(提示)すればOKです。(※手続きの途中でSMSによる認証があるので、携帯電話番号が必要です。)

  1. 口座開設の申請書(銀行にあるものに記入して提出)
  2. 居留許可が貼り付けられたパスポート
  3. 工作許可証(就労許可証、カード状の Work Permit のこと)
  4. 雇用契約書

申請書以外の書類に関しては全てその場でコピーが取られ、原本はもちろんすぐに返してくれます。今回全部で1時間程度はかかりましたが、その場でキャッシュカードを手に入れることができました。手数料として現金で「3元」必要だったので、現金の持参を忘れないよう気をつけた方がいいです。現金は現在の中国では普段まず必要になることはないのですが、極々稀にこういうケースがあります。なお、「通帳」は基本的には発行されないようです。店舗内で通帳を持っている高齢の方を見かけましたから、今でも存在するにはするようですが。口座の入出金記録はもちろんスマートフォンのアプリで参照可能ですが、紙媒体で欲しい場合は銀行のATMで無料で印刷することもできます。

まとめ

ということで以上、今回は中国における銀行口座開設に関するご紹介でした。

色々と外国人に対する規制が厳しい中国ではありますが、現在でもとりあえず中国銀行であれば外国人でも新規の口座開設は可能です。一旦口座を開設しキャッシュカードを手に入れさえすれば、各種スマホ決済も問題なく使えますし、外貨両替や国際送金も問題なく行うことができます。

兎にも角にも、中国における各種制限やルールは本当に高い頻度で変更されるので、インターネットで情報を集める際には「その記事が書かれた日時」に十分注意を払うべきです。繰り返しになりますが、当記事の情報は2021年1月時点でのものとなっています。今後もしまた同僚の口座開設に立ち会うなどして最新の情報を得た際には、当記事を更新したいと思います。

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