コロナ禍での中国渡航。広州の隔離ホテル「逸泉国际大酒店」。濃厚接触者になった話。

COVID-19

昨年同様、今年も夏休みを利用して一時帰国したので、その際に経験したことを広州の隔離ホテルの写真と共にご紹介したいと思います。

2021年の話

先に結論というか感想を書いてしまうと、昨年(2021年)に一時帰国した時に比べていろいろと制限が緩和されていたので、非常に楽でした。

ちなみに、昨年の一時帰国の話は以下の記事にあります。中国渡航に際して持って来た方が良いであろうグッズ等にも触れていますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

以下では、現在の日中間渡航関係のルール(昨年からの変更点)に触れた上で、今回の渡航に関してご紹介したいと思います。

大きく緩和された制限

昨年からの変更点ですが、まずは中国からの日本渡航に関して、あの非常に煩わしかったPCR検査の陰性証明が不要になりました。「コロナワクチンの3回接種」が条件になってはいますが、中国製の不活化ワクチンも現在は接種回数にしっかりカウントされますから、基本的には皆さん陰性証明を取得せずに帰国ができるはずです。

日本入国後は検査も隔離も必要ありませんし、あの非常に厄介だった公共交通機関利用禁止のルールも現在は撤廃されています。帰国のための飛行機に搭乗したら、その後はもう完全に自由です。

日本から中国への渡航に関しては、あの必要性に疑問しか感じなかったIgM抗体検査が不要になり、現在は「渡航直前の2回のPCR検査」をパスすることが条件となっています。

そしてやはり特筆すべきは中国入国後の隔離期間に関してですが、大幅に短縮され現在は「7日間の集中隔離+3日間の健康観察(要は自宅での自主隔離)」となっています。私は普段職場の教員宿舎に住んでいて、そこでの自主隔離は認められなかったので隔離ホテルで10連泊しましたが、昨年は6週間ものホテル隔離を課されましたから、それに比べたら本当にもう遥かに楽でした。

中国から日本へ

6月にANAの上海-成田便にて私は一時帰国したのですが、特に困難に感じることはありませんでした。

現在もそうですが、中国国内ではどこに行くにも基本的には「48時間以内(状況次第では24時間以内)のPCR検査陰性証明」が必要ですから、それにさえ気をつけていれば問題はありません。渡航前数日間は毎日検査を受けて24時間以内の陰性証明をキープしておけば大丈夫だと思います。

日本の空港到着後の手続きも現在は非常に簡素化されているので、平時とほとんど変わりません。到着後スムーズに非制限エリアに出ることができます。

日本から中国へ

日本からの中国渡航に関しては、昨年と比較的似たような手順を経ることになります。PCR検査の結果が出たら健康コードの申請をして… といった感じです。最新のルールに従う必要がありますから、渡航前に中華人民共和国駐日本国大使館のホームページをよくチェックすることがとにかく重要です。また航空会社(私の場合はANA)のホームページ上にも渡航に必要な2種類のコードに関して情報がまとめられていますから、参考にすると良いかと思います。

渡航前のPCR検査も現在は様々な場所で受けられるようになりましたし、陰性証明もPDFファイルで受け取ってスマホ上でスクリーンショットを撮り、それをアップロードすればOKなので、楽になったなと感じました。

中国到着後の流れ

私は8月にANAの成田-広州便を利用して中国に戻りました。中国の空港に着いた後の流れですが、昨年と似たような感じでした。PCR検査の検体採取が鼻からではなく口からに変わったくらいでしょうか。パスポートに貼るシールは専用の機械でパスポートを読み取り、出てきたシールを自分で貼る形式に変更されていましたが、まあ些細なことかなと。

昨年同様、順路に沿って進み、最終的にはバスが数台並んだ場所に辿り着き、N95マスクを受け取りそれを着用し、自らスーツケースをバスの収納スペースに入れてから乗車、隔離ホテルへ… という流れです。

飛行機から降りてからバスが出発するまでにはちょうど2時間くらいかかりました。その間にお手洗いには寄ることができます。もちろん隔離ホテル次第だとは思いますが、今回は空港を出発してから約45分でホテルに着きました。

広州の隔離ホテル「逸泉国际大酒店」

今回私が広州で利用した(もちろん選べません)隔離ホテルは「逸泉国际大酒店」というところでした。空港の北東方向にありますから、広州の市街地とは真逆の方角です。ホテルの外観はこんな感じ。

到着したら一人ずつ降車し、スーツケースやその他のバッグ、足の裏等に消毒液を噴射され、いくつかのQRコードをWeChatで読み取りグループに加入、部屋のカードキーを受け取り部屋に向かいます。

ホテル代に関しては、チェックイン時には案内がなく、入室後にWeChatのグループチャットで連絡がありました。

  • 宿泊代:400元(約8千円)/泊
  • 食事代(3食):70元(約1,400円)/日

ということで、まあざっくり言って1泊あたり1万円弱ということになります。中国の物価や給与水準を考えたら少し高めだとは思いますが、こればかりはもう仕方ありません。WeChat Payでの支払いが基本になりますが、「クレジットカードしか持っていない」と発言している人もいて、そういった人たちに対しては個別対応がなされたようですから、支払いに関しても基本的には問題ないかと思います。

客室

ここが私の部屋。ゴミは指定されたタイミング(WeChatのグループチャットで指示がある)でこの玄関ドアの外側にあるゴミ箱に捨てることになります。

室内の写真を何枚か続けてお見せします。

感想ですが、昨年利用したところに比べて部屋は広いし、空調はしっかりしていてWi-Fiも高速で安定、建物自体は一昔前のリゾートホテルといった感じで古さは感じましたが、正直不満は感じませんでした。私は2020年と2021年で計2ヶ月間ほどホテルに強制的に隔離されていますが、今回のホテルが一番まともでした。

隔離中の食事

隔離中の食事に関しては、中国で極めて一般的なごく普通の弁当でした。参考までに以下、朝昼晩で2枚ずつ写真を貼っておきます。

なお、別途オプションの料理を注文することもできますし、出前やネット通販の利用も可能でした。

あとは、商売熱心なスタッフさんたちが時々こういうのをグループチャットに投稿して食欲を刺激してきます。

私はデフォルトの弁当しか食べませんでしたが、特に不満はありませんでした。食に拘る方はもちろん日本から何か持ってくるのもありだと思います。

一点ちょっとだけ気になったのは、割り箸の提供がないという点です。金属の箸とスプーンのセットが支給されるだけなので、洗うのが面倒という方は割り箸を持ってくると楽かもしれません。

濃厚接触者になった話

隔離が始まり3日後だったと思いますが、宿泊客が1名PCR検査で陽性になりどこかに搬送されました。そしてどうやら機内で私の近くに座っていた方だったようで、私は濃厚接触者に認定され健康コードの表記が変わりました。

他にも濃厚接触者認定された人がいて、グループチャット上で騒ぎになりましたが、これによる隔離期間の延長はありませんでした。自分が陽性にさえならなければ問題はないようです。そもそも隔離ホテル到着後には完全に隔離されているわけですしね。

とりあえずこのことからわかるのは、「中国行きの飛行機には感染者が乗っている可能性がある」ということです。自分自身が感染した場合は中国入国後の隔離期間が大幅に延びる可能性があるので、渡航前の2回のPCR検査をパスしたからと言って、安心するのはまだ早いと言えるのではないでしょうか。

隔離解除後の移動

上述の通り、現在中国入国後の隔離は「7+3日」なので、後半の3日間を自宅で過ごす方は7泊したらホテルを出ることになります。事前にその後の移動に関して予定を聞かれ、空港や駅までは送ってもらえます。

一方、10連泊した場合は隔離解除の時点で完全に自由になるので、空港や駅までの送迎もありません。なので隔離ホテルからの移動手段は自ら確保する必要があります。

全体の感想

以上が今回の一時帰国のご紹介ですが、特に想定外のトラブルもなく、全体的にスムーズにいったなと。隔離も10日間で済みましたから、昨年に比べて本当に楽でした。

ただまあ、単に運が良かっただけとも言えます。私だって隔離中に感染が発覚する可能性はありましたし、それ以外にも、例えば隔離ホテルがあるエリアが中高リスクエリアになってしまっていたら、私は居住地に戻った時点で1週間の隔離を追加で課されるところでした。なお、当記事執筆中の現在、広州の空港がある花都区には中高リスクエリアに認定されている場所がたくさんありますから、仮に現在私が広州にいたら、空路で居住地に戻ることはできないということになります。そんなわけで、全てはその時点での状況次第だと言えます。

5年に一度の中国共産党の党大会も終わり、習近平さんの国家主席3期目入りが確定しました。ゼロコロナ政策の堅持が宣言されましたから、今後も現在のような各種制限が続くことは確実です。難しい時間が続きますが、あまり考え過ぎると気が滅入りますから、皆さんも体だけではなく、ぜひ心の健康にも十分に留意なさってください。

当記事を読んでもし何か質問等ありましたら、Twitter(https://twitter.com/busyerwin)経由でぜひ気軽に聞いてみてください。

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