北京の在中国日本国大使館でパスポートを更新してきました

その他

この度パスポートの残存期間が少なくなってきたため、北京にある日本大使館で更新手続きをしてきましたので、その手順についてご紹介したいと思います。

パスポートの「更新」とは?

パスポートには有効期限(5年か10年)があるわけですが、多くの国では入国の条件が「残存期間が半年以上であること」となっているため、残存期間にはある程度の余裕が必要です。

日本のルールでは残存期間が「1年未満」であれば「更新」が可能となっています。止むを得ない事情があれば1年以上の場合でも更新可能なケースはあるようですが、その際には個別対応になるそうです。

ただ、パスポートを更新すると肝心のパスポート番号は変わってしまいますから、「更新」と言うよりは「新規取得」や「作り直し」に近い気がします。

手続きが可能な場所ですが、海外で更新をする場合は自国の大使館や総領事館で行うことになります。

在外邦人の場合、日本に一時帰国して更新をすることも可能なのだとは思いますが、中国の場合は「居留許可」がパスポートに貼り付けられているため、その変更手続きの手間を考えると中国国内で更新した方がいろいろと楽かもしれません。

更新の手続き

中国に関しては大使館や総領事館ごとに管轄エリアが決まっていて、私の省は北京にある「在中国日本国大使館」の管轄であったため、今回は北京に実際に足を運んでの更新となりました。

私がいる省はいわゆる「遠隔地」という扱いになるため、「早期発給」のサービスを受けることができます。事前予約をした上で赴き、11時までに申請すれば当日の16時頃には新しいパスポートを受け取ることができます。事前予約の際にいろいろと説明がありましたが、混む場合もあるため9時頃に来てもらった方が確実、とのことでした。

更新の手続き自体は非常に簡単で、現地に赴き以下の書類を提出するだけです。

  1. 一般旅券発給申請書(10年用又は5年用)
  2. 現在有効なパスポート
  3. 写真1枚

氏名や本籍地の変更などがある場合は戸籍謄本の原本も必要になるようですが、そういったケースは少ないかと思います。

提出物が少ないので、本当に手続き自体は非常に簡単でした。私の場合は早期発給であったため、それの依頼書のようなものをその場で1枚書くことになりましたが簡単なものでした。

なお、大使館のホームページに案内がありますが、「一般旅券発給申請書」は事前にオンラインシステムを利用して入力し印刷したものを持参してもOKなので、事前にそれを準備しておくと本当にあっという間に手続きが終わります。私はパスポートの署名欄の署名に失敗したら嫌だなと思い、事前に用意したものを提出しました。オンラインシステムを使って入力したものはPDFファイルとしてダウンロードできるため、署名が気に入らなければ再度印刷して書き直すことができるのです。

大使館にはパスポートを提示しなければ入れないわけですが、申請するとパスポートの引換証のようなものをもらえ、受け取りに来た際にはその紙を提示することで中に入れます。

10時前に申請を済ませ16時に再訪したところ、すぐに新しいパスポートを受け取ることができました。受け取りの際には、手数料として以下の金額を「現金」で支払うことになります。

  • 10年パスポート:1,065元(20歳以上が申請可能)
  • 5年パスポート:690元(12歳未満は375元)

ホームページ上では10年パスポートは1,000元となっていますが、情報をまだ更新していないそうで、どうやら最近少し値上がりしたようです。

なお、古いパスポートは最初の4ページ分に穴が開けられた状態で返却されるため、それ以降は無効となります。

同一人物証明

中国国内でパスポートを更新する際の特記事項として、「同一人物証明」という証明書を発行してもらうことが可能です。要は、古いパスポートと新しいパスポートの所有者の同一性を証明するためのものです。なんでも、これは中国でしか発行していない特別な証明書なのだとか。

パスポート番号というのは在中邦人にとっては唯一の身分証明書番号となりますから、パスポートの更新後には出入鏡管理局はもちろんのこと、銀行や携帯電話会社などで身分証番号の変更手続きが必要になります。その際に銀行によってはこの証明書の提出を求められるケースがあるそうです。

ただ、大使館の方曰く、この書類はかなり特別なもので、安易に発行はできないのだとか。銀行に問い合わせた上で、必要と言われた場合等、本当に必要であることが確認できている場合にのみ発行してもらえるとのことでした。

必要な場合は事前に電話でその旨を伝えておき、現地でパスポート更新の申請をする際に、同一人物証明の申請書も提出すればパスポートを受け取る際に一緒に受け取ることが可能です。なおこれのための申請書のPDFファイルは大使館のホームページ上でダウンロード可能なので、事前に記入しておくことも可能です。

同一人物証明の手数料は1通あたり「140元」。これも受け取りの際に現金で支払うことになります。

古いパスポート番号で予約した飛行機には搭乗可能?

今回私は空路で北京に向かったのですが、事前に復路便の予約も済ませていたため、予約に紐付いていたパスポート番号は古いものでした。

新しいパスポートで問題なく搭乗可能か少し心配だったのですが、特に問題はありませんでした。チェックインの際にデスクのお姉さんに説明したところ、電話で誰かに問い合わせた上で問題なく搭乗券を発券してくれました。

保安検査のカウンターでもパスポートを提示する必要があるわけですが、新しいパスポートの提示したところ、どうやらデータベースに登録されている番号と異なっていたようで係員さんは困っていました。しかし古いパスポートも見せた上で更新した旨説明したところ、通してもらえました。

パスポート更新後の各種手続き

大使館でも念を押されましたが、パスポートを更新したら10日以内に出入鏡管理局で居留証を新しいパスポートに貼り付けてもらうための手続きが必要になります。

10日以内とのことだったため、私は更新後すぐに北京から戻り大学の事務さんに手続きを依頼したのですが、事務さん曰く、まず先に就労許可関係の登録情報の変更手続きをオンラインで行い、それが承認されてはじめて出入鏡管理局でも手続きが可能になるとのことでした。ただその手続きはすぐに済んだため、パスポート更新の数日後には出入鏡管理局に赴き申請をすることができました。必要な書類の準備等は全て事務さんがやってくれたので詳細は分かりませんが、新旧2冊のパスポートと就労許可証(顔写真付きのカード)を持って行き、その場で居留許可用の写真を撮影し、10本の指全ての指紋を登録し、書類にサインをして手続き完了となりました。後日居留許可が貼り付けられたパスポートを受け取ることになります。

銀行や携帯電話会社に赴き登録済みのパスポート番号の変更をするのはそれを受け取った後になりますが、まあおそらく難しい手続きではないだろうと思われます。税務署への変更手続きは大学の会計課の方が代わりにやっておいてくれるとのことでした。おそらくは民間企業であっても似たような感じかと思われます。

感想

海外でパスポートの更新をするのはこれが初めてでしたが、「パスポートの更新ってこんなに簡単なんだ…」というのが私の感想です。中国で働いた経験のある方ならわかるかと思いますが、この国にはもっとはるかに煩雑な手続きが山ほどあります。

その他に特筆すべきこととしては、大使館の方々の対応が非常に丁寧で好感が持てたという点です。事前に何度か電話でやり取りをさせていただいたのですが、電話は毎回すぐに繋がりましたし、説明も丁寧で安心できました。この場を借りて改めて感謝したいと思います。

ただ、一点だけ、私がパスポートを受け取った際に「うわぁ〜」と思ったことがあります。それはパスポート番号の中にアルファベットの「Z」が入っていたことです。これは見た目が「2」に結構近くてすごく分かりづらいです。このブログ記事が外務省のお偉いさんの目に留まるとはとても思えませんが、これは絶対に改善すべきだと思います。日本のパスポートは「アルファベット2文字+数字」ですが、これは国際ルールではなく、国によっては1文字だけアルファベットだったり全部数字だったりします。諸事情により先日留学生のパスポートを見る機会がありこのことを知りました。ですから、「Z」は使用しない方がいいと私は思います。実際、大学の事務さんからも「Zですよね?」と確認されました。

私がシェアすべき情報は以上かと思いますが、とりあえず無事にパスポートの更新ができて良かったです。

コロナ禍で国を跨ぐ移動が難しい状況が続いていますが、新しいパスポートには今後どんなスタンプが押されることになるのかなと、思い出の詰まった古いパスポートを眺めているとついそんなことを考えてしまいます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました